ロンドン五輪九日目の考察(体操、陸上、フェンシング、卓球、ボクシング、女子バレー)

ロンドン五輪九日目の考察(体操、陸上、フェンシング、卓球、ボクシング、女子バレー)

体操では床で内村航平が銀メダルを獲得!金メダルの期待もありましたが、やはりズーカイは強かった。内村は実力を出し切れたと思います。

 

内村はリジョンソン入れてもD6.8。D6.9のズーカイに完璧にやられたら勝てない。ズーカイに完璧にやられたらどちらにしよしょうがないからそれならD6.7のミスが出ない構成にしてとにかくメダルは確保しつつズーカイが乱れたら金という目論見だったんでしょうね。

 

 

これで内村は全日程が終了。満足のいっていないところもあると思いますが、金1銀2という結果はさすがというべきでしょう。

 

個人的には個人総合後にすぐさま現役続行を表明してくれたことが嬉しい。今後も世界選手権の連覇を伸ばしていって、五輪二連覇を達成して欲しい。もちろん団体金メダルも取らせてあげたい。

 

 

これからは年齢との戦いにもなってくるでしょう。技の技術はもう完璧と言ってもいいくらいなので、今後はコンディショニングだったり、重要な大会だけに合わせるピーキングだったり、怪我をしにくい練習法であったり。

 

これらの技術を身につけられるかどうかが今後の活躍への鍵になるのではないでしょうか。

 

 

あん馬ではベルキがD6.9の構成で素晴らしい演技をして優勝。D7.0のスミスも素晴らしかったですが、同点のタイブレークで銀メダルとなりました。

 

いやしかし14点台で高得点と言われるあん馬で16点なんて出るもんなんですねw。ちょっと信じられないくらい高得点です。

 

日本も落下せず確実に15点後半以上を出せる選手がいればかなり団体の底上げになると思うのですが。鹿島丈博さん後進の育成お願いしますw。

 

 

室伏が銅メダルを獲得

 

陸上では室伏広治が銅メダルを獲得!一投目の謎のファウルがあって精神的に難しいものがあったと思いますが、よくメダル圏内まで持っていってくれました。

 

ただ一年間ここに合わせてコンディション調整してこの記録だと正直もう室伏に80mを投げる力は無いのかなとも思います。もう38歳だし寂しいことですけど。

 

結局パルシュ、コズムス、室伏といつもの面子が金銀銅ですしシモンジオルコフスキやパッツィーニら大ベテランも健在。優勝ラインが80m59、メダルラインが78m71というのも近年稀に見るレベルの低さ。競技自体の世代交代が進まないですね。

 

 

男子100mはウサインボルトが9.63の五輪レコードで優勝!世界新まであと0.05秒。まだまだ世界記録の更新も期待できますね。二位はヨハンブレイク、三位がジャスティンガトリン。予想が的中しましたw。

 

昨年の世界陸上ではウサインボルトがフライング、タイソンゲイとアサファパウエルが欠場で真の世界一決定戦という感じではありませんでしたが、今大会はボルト、ブレイク、ガトリン、ゲイ、パウエルと役者が揃っていました。

 

 

過去最高にレベルの高い男子100mだったでしょう。

 

そして山縣亮太も準決勝で10.10と素晴らしい走りを見せてくれました。予選で10.07、準決勝で10.10と力を出し切りましたね。

 

私は1997年アテネ世界陸上からの陸上ファンですが、世界大会の準決勝でここまで力を出しきれた日本人は初めて観ました。自信になったと思いますし、日本人初の9秒台と悲願の日本人100mファイナリスト目指してこれからも伸びていって欲しいですね。

 

 

女子400mではアメリカのサンヤリチャーズロスが優勝。去年世界陸上で優勝したアマントルモンショーはあまり伸びませんでしたね。2位は地元イギリスのクリスチャンオールグー。

 

男子3000m障害はケニアのエゼキエルケンボイが優勝。女子マラソンはエチオピアのゲラナが優勝。日本勢はまったく勝負すらさせてもらえず完敗しました。

 

 

審判の質に問題がある五輪

 

男子フェンシングフルーレ団体では銀メダルを獲得!決勝で世界ランク一位のイタリアに負けてしまいましたが、見事な銀メダルでした。

 

準々決勝で世界ランク二位の中国に勝ったことで勢いに乗りましたね。準決勝でも世界ランク三位のドイツに勝つという素晴らしい成績でした。

 

ただ決勝の審判は相手寄りだったように感じますね。正々堂々とやって負けるなら納得できますが、審判の判定に左右されてしまうというのは釈然としないものがあるでしょう。

 

 

今大会は柔道、体操からフェンシングに室伏のファウルとずっと審判の問題が多いように思います。審判が公正明大であるということはスポーツにおける最低条件。

 

選手は人生を賭けて競技に挑んでいるのだから、勝ち負けが審判の恣意的な判断によって決するようなことがあってはならない。

 

この最低限守らなければならない原則を守りきれていない時点で、今回のロンドン五輪は過去最低クラスのひどい五輪を言わざるを得ませんね。

 

 

女子卓球団体はシンガポールに勝って決勝進出し銀メダル以上確定!シンガポールの方が地力は上かと思いましたが、一人目の福原がシングルス銅メダリストのフォンに勝ったのが大きかったですね。

 

男子卓球団体は香港に負けてベスト8で終了。ベスト4までは行ってくれると思ったのですが、岸川聖也と丹羽孝希があまり良くなかったですね。水谷隼しか勝てないのではどうしようもない・・・。

 

初戦で水谷が相手のエースを倒して流れに乗ってくれるかと思ったのですが残念でした。

 

 

ボクシングの男子バンダム級では準々決勝で清水聡が勝利して44年ぶりとなるボクシングのメダルを確定させました。

 

また女子バレーはイギリスに勝利して予選3位通過。決勝トーナメント一回戦では中国と当たります。ここがメダル獲得に向けての最大の山場になるでしょう。頑張って欲しい。

 

 

本日の見所

 

さて本日の見所です。

 

 

まずはなんといってもなでしこジャパンの準決勝でしょう!相手はフランス。直前の練習試合で負けており、予選リーグのアメリカ戦でも一時2点を先制するなどかなり強い相手。

 

おそらく準々決勝の時のサッカーで勝つのは厳しいでしょう。持ち前のパスワークと運動量を活かした良い時のなでしこが戻ってきて、勝ってくれることを期待したい!

 

 

陸上では男子400mの決勝があります。優勝候補はキラニジェームズでしょうか。それにベルギーのボルリー兄弟がどう絡んでくるか。

 

男子400mHも決勝。優勝候補はハビエルクルソンか。準決勝で非常に良い走りをしたアンジェロテイラー、そして準決勝で久々に47秒台を出して健在ぶりを示した大ベテランのフェリックスサンチェスが対抗馬になるでしょう。

 

女子棒高跳びでは世界記録保持者の女王エレーナイシンバエワが登場。昨年の世界陸上では敗れていますがリベンジはなるか。五輪三連覇がかかります。ロゴフスカ、ジェニファーサーあたりがライバルでしょうか。

 

 

体操では吊り輪と跳馬の種目別決勝があります。日本人選手は残念ながら出場することはできませんでしたが、吊り輪ではチェンイービン、跳馬ではヤンハクソンの演技に注目です。

 

女子では段違い平行棒の種目別決勝に鶴見が出場します。メダルとなるとやや厳しいかなと思いますが、しっかり自分の満足のいく演技を通して欲しい。

 

 

ボクシング男子ミドル級では村田諒太が準々決勝を戦います。ここで勝てばメダル確定。昨年世界選手権銀メダルの実力を発揮して清水に続いて欲しいですね。

 

 

本日は日本勢のメダルが期待される種目はあまりありませんが、なでしこジャパンの決勝進出とボクシング村田のベスト4入りに期待して応援しつつ、世界のトップ選手の競技を楽しみましょう。

 

 

 

 

 

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